雨女のブログ

30代雨女の頭の中。

隣の電器屋のおじちゃんの話

隣の家は電器屋さんをしてます。

昨日の朝、電器屋のおじちゃんが亡くなりました。

 

 

「電器屋のおじちゃん」

私が生まれた時からそこにいて、小学四年生のときに家をリフォームして出来た私の部屋にクーラーを設置してくれた、電器屋のおじちゃん。

メカオンチの両親の面倒を見てくれて家の居間のテレビのチャンネルを設定してくれたおじちゃん。

ビデオテープや部屋の蛍光灯や電池が必要になった時、さっと買いに行けた隣の電器屋さん。(接客してくれたのはいつもおばちゃんだったけど)

 

隣の電器屋さんは、年に2回くらい「売り出し」という名目のお祭りをやったりしていました。

焼きそばやお餅を配ったり、子供向けにヨーヨー釣りや綿あめがあったり。

夜は近所の人を集めてカラオケなんかもやってました。

小学生くらいのときは結構楽しみで、電器屋さんの娘さん(私より10つくらい年上)に遊んでもらったりして、お祭りの間はずっと入り浸ってた記憶。

 

隣の電器屋さん、実は遠い親戚でもあります。

電器屋さんのおばちゃんと、私の叔母の旦那が姉弟なのです。

それを普段は忘れていて、私にとってはいつも「隣の電器屋さん」でした。

誰かに家を教えるときも、「電器屋さんの隣」と言えば大体わかるのでした。

 

 

 

そんな電器屋のおじちゃんが、10年くらい前から闘病してるのは知っていました。

 

昨日の朝、突然隣に救急車と消防車が来ました。

朝食のサツマイモを喉に詰まらせてしまったそうで、意識がない状態で、搬送されていったようでした。

体力もかなり落ちていたから、もしかしたら…という話でした。

 

そのまま私は仕事に行き、気になりつつ働き、帰ってきたら、隣の家にたくさん車が停まってるのを見て、「亡くなったんだな」と分かりました。

家を出た電器屋さんの息子さんや娘さんの車や、たくさんいるおじちゃんおばちゃんの兄弟の車だなと分かったからでした。

 

 

闘病してるときは電器屋さんはおばちゃんが守っていて、おじちゃんにはもうずっと会ってません。

かなり痩せたとは聞いているけど、会う機会もなく。

 

お通夜とお葬式は土日にするようなので、こうしている間も、隣の家にはおじちゃんが眠っているわけだけど、会いに行こうという気持ちにはなんとなくなれないままだったりして…。

 

おじちゃんと会ってきた母が言うには「とてもいい顔をしていた」と。

それを聞けたから、会わなくてもいいかなと。

 

私の中では、作業服で、ハシゴが乗った白いワゴン車を運転して家の前を手を振って通っていく、隣の電器屋のおじちゃんのままの記憶でおきたい。

そんな気分なのでした。